出生率0.72の韓国で今起きていることは、5年後の日本の姿だ

2024年、韓国の合計特殊出生率が0.72を記録した。日本の1.20を大幅に下回るこの数字が何を意味するのか。韓国の現状は、日本の近未来を高精度で予測している。

ソウルの出生率0.55という衝撃

韓国の首都ソウルの出生率は0.55。女性1人が生涯に産む子どもの数が0.55人。人口維持に必要な2.1の4分の1だ。ソウルの産婦人科は次々と閉院し、小児科医は美容医療に転向。学校の統廃合が加速し、不動産市場には「学区」という概念が消えつつある。

「非婚化」ではなく「非恋愛化」

韓国の20代の約65%が「恋愛をしていない」と回答(2025年調査)。理由の上位は「経済的余裕がない」「時間がない」「面倒」。注目すべきは3番目の「面倒」だ。日本で「恋愛離れ」が語られ始めた2015年頃、韓国は同じ段階にあった。韓国の10年先を日本が追いかけている構図が見える。

政府の少子化対策が「全部失敗」した理由

韓国政府は過去16年間で約280兆ウォン(約30兆円)を少子化対策に投じた。出産祝い金、育児手当、住宅支援——しかし出生率は下がり続けた。理由は明確だ。経済的支援は「産みたいが産めない」層には効くが、「そもそも産みたくない」層には効果がない。そして後者が急速に多数派になっている。

日本への示唆

日本の出生率は韓国の約5〜8年遅れで推移している。韓国が0.72に達した経路を日本がたどるなら、2030年頃に日本の出生率は0.9を切る可能性がある。東京に限れば、すでに0.99。韓国の失敗から学べることは一つ。少子化は、お金では解決できない。社会の価値観そのものが変わらない限り。